ぶらんこは、いろいろな選択肢の中から子ども自身が「好きなことを自分で選択できるようになる」、そんな療育を行いたいと思います。

 好きなことを選ぶと言っても「自分はこれがやりたい!」と我を通そうとするだけでは、なかなかうまくいきません。
例えば卓球がやりたい場合、一緒に遊ぶ相手を見つけ・卓球台などの備品・場所・時間・状況など様々なことを準備・決定していかなければなりません。
友人が公園に行きたかった場合、自分と違う意見を受け入れることは難しいです。でもそれができたら、周りの友人やスタッフが「あの子は相手の気持ちを考えてくれている。えらいね!」「今度はあの子の話を聞いてあげよう」とその子の話を聞いてもらいやすくなる環境を作ります。今回は卓球ができなくても、次回は周りの人が話を聞いてくれる、卓球台のスペースを空けてくれ「人のつながりの中で好きなことができるんだな」ということを経験として学んでいきます。

 卓球を知らない子どもも、もちろん卓球を選ぶことができません。仲の良い友人が楽しそうに卓球をやっているのを見て、友人の卓球に付き合うことで、人とのかかわりの中で自分の経験が広がります。公園遊びやカードゲーム、買い物の仕方や宿題のやり方、甘い食べ物や苦い食べ物、「これは好き、これは苦手」と理解したうえで本人が自分で選べるように様々なことを経験できる環境を作ります。

またこれらを行うために、子どもたちが相手の気持ちを考えて行動できた時に、スタッフがその子に注目します。
いたずらをして気を引こうとしている子どももいますが、周りの人の事を考えて行動している子どもにスタッフが注目することで、「相手の気持ちを考えてよかった」「いたずらしても意味ないな」「(肯定的に)人と関わることって楽しいな」という経験を重ねます。

失敗から成功を学び、子どもが褒められることで楽しみながら、できることは見守り、難しいことは周りに助けてもらいながら、集団としてちょっとずつでも確実に成長していくことを目標にしていきます。